道義のゴリ押し?一押し!;源氏物語千年紀展

第9回 現代日本オーケストラ名曲の夕べ 『道義の一押し』
2008年4月25日(金)19時開演@京都コンサートホール(大ホール)
◆芥川也寸志  響~オルガンとオーケストラのための~
◆伊東乾 天蓋の碑
(休憩)
◆石井眞木 交響詩『祇王』(陰影の譜)~横笛とオーケストラのための~
◆井上道義 メモリー・コンクリート
指揮:井上道義
オルガン:久保田真矢
横笛:赤尾三千子
管弦楽:京都市交響楽団を中心とするオールジャパン・シンフォニーオーケストラ
コンサートマスター:グレブ・ニキティン
京都新聞080130

 「現代日本オーケストラ名曲の夕べ」、今回が9回目ですが、全国持ち回りでやっている企画のようですね。京響定期ではなかなか邦人作品が上がらないので(今年はそうでもないですが、岩城さんの最後のオール武満プロ以来機会がなくて残念です)、チケット代が安かったこともあってホイホイ出かけたのですが、着いてみるとやっぱりお客さん少ないなぁ・・・(苦笑)。
 メンバーは京響を中心に、群響から6人、シンフォニカーから4人、山響とセントラル愛知から3人ずつ、読響2人、N響と中部フィルから1人ずつ・・・でしょうか。山形や群馬って遠いのにご苦労様という思いですが、明日に大坂城イベントを控える大フィルからは当然のごとく1人もいない(苦笑)。京都から近いはずの大阪・兵庫からはシンフォニカーだけというのが寂しいですね。
 曲間のトークでサブタイトルと自作が入ってることについて「‘ゴリ押し’じゃありません」とか言って笑いをとっていた井上さんですが、プログラム解説以外にもこうして曲についていろいろとお話してくださったこともあって思ったよりもすんなり音楽に入ることができたように思います(ただ・・・彼のトークって脱線しがちなのが悩ましくもあるのですが・苦笑)。

 4曲のうち面白いと感じたのが芥川さんと石井さんの曲。日本人作曲家でオルガンの協奏曲ってそうそうないのではと思うのですが、あまり違和感を感じることがありませんでした。また、石井さんの曲の『祇王』というのは京都通の方ならよくご存知の祇王寺の“祇王(平安末期に実在した白拍子で一時期は平清盛の寵愛を受けていたこともある女性)”のことで、その祇王の生涯を音楽で描くような趣旨の曲らしいのですが、この曲は井上さんが京響の音楽監督を務めていた頃、プラハの音楽祭に出演の折にショスタコーヴィチの12番とカップリングでやった曲でもあるのだそうです。横笛とオケのコンチェルトといった曲ですが、深緑の(平安貴族っぽい)衣装に身を包んだ赤尾三千子さんが操るのは龍笛・篠笛・能管の3種類。これだけでもかなり大変だと思うのですが(だいいち能管からスラスラと旋律を引き出すのだけでも難しいような気がするし・・・)、これに加えて途中で入る雅楽の「今様(平安時代に流行した歌の一種)」も赤尾さんが歌われたので、素人目からはホントにご苦労様という思いです。音楽もどこか神秘的というか、ストーリーを抜きにしたら平安末期をさらに飛び越えて飛鳥・奈良時代にまで行ってしまいそうな趣すらも感じられました。
 一方、別の意味で楽しかったのが『メモリー・コンクリート』。当初の予定では『祇王』と曲順が逆だったのですが、「僕の曲は最後に持って行かないつもりだったんですが、石井さんの曲が協奏曲的な作品なので、僕がゴリ押しした曲を最後にやろう」ということだそうで(爆)、ラストがこの曲。3年前の大フィルの京都公演で聴いて以来ですが、最も楽しみな“指揮者のカデンツァ”、今回は何をやるんやろ思いましたが、前回よりもさらにパワーアップというか凝ってるというか、まさかミッチーのタップダンスまで見れるとは思わなかったぞ(爆)。しかもリズム感がいいのか運動神経がいいのか、ちゃんと様になってて(笑)華麗にステップを踏んでるし。あとは上着のジャケットを脱いだらスーパーマンのマーク入りのシャツが出てきたり、途中で渡された花束から花を一輪ずつ抜き取って京響以外のメンバーに手渡ししてたり、随分と楽しませてもらいました。ついでに必死になって笑いを噛み殺してたであろうステージ上の団員さんたちに同情します(爆)。

 普段現代音楽に特に親しんでいるわけではないので大した感想は書けませんが、とても有意義なひとときでした。石井さんの『祇王』はまたいつか生で聴いてみたいですね。それに改めて邦人作品が京響のカラーに合うと認識されられました。今日のプログラムにはなかったですが、以前岩城さんの指揮で素晴らしい演奏を残した武満さんや近年世界的に評価の高い細川俊夫さんなどの作品を少しでも定期のプログラムに入れてほしいと願わずにはいられなかった今日の演奏会でした。

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お知らせを1つ。
高倉三条の京都文化博物館「源氏物語千年紀展」が明日から6月8日までの
日程で開催されます。
源氏物語や紫式部にちなんだ絵巻や日記類の他、背景となる平安文化を紹介する
品々が展示されるようですので、観光プランの1つに入れてはいかがでしょうか。

京都文化博物館 http://www.bunpaku.or.jp/
京都文化博物館

華麗な源氏物語文化を展観 中京で千年紀展【京都新聞 2008年4月25日】
京都新聞080425
 千年の時を超え、愛されてきた華麗な源氏物語文化を展観する「源氏物語千年紀展」(京都新聞社など主催)が26日、京都市中京区の京都文化博物館で開幕する。
 今年は、「源氏物語」が平安貴族に読まれていたことを示す「紫式部日記」の記述から千年目。展覧会は多様な展開を見せてきた物語の世界を絵画や写本、工芸品などでたどる。
 会場には、物語の名場面を描いた狩野山楽「車争い図屏風(びょうぶ)」や米国から里帰りした土佐光信「源氏物語画帖(がじょう)」などが並び、優美な「源氏物語」へといざなう。「紫式部日記絵詞(えごとば)」や「石山寺縁起絵巻」など紫式部にかかわる絵巻や日記類に加え、物語へのあこがれから生まれた蒔絵(まきえ)や陶芸など、国宝・重文約40点を含む計157点を展示する。
 開幕に先立ち25日、開会式と内覧会が行われ、山田啓二京都府知事や作家の瀬戸内寂聴さんらがテープカット。招待客ら約700人が鑑賞し、物語の世界にひたった。
〔※写真:「源氏物語」の華麗な名場面を描く屏風絵に見入る招待客ら(京都市中京区・京都文化博物館)〕

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