ECB利上げ&米雇用統計;ポンペイ遺跡非常事態宣言

昨日7月4日はアメリカの独立記念日なんだそうです。もちろんアメリカは休日。
そのため、いつもなら第1金曜日になる雇用統計の発表が1日繰り上がり、
一昨日はECB理事会と重なってトリシェ総裁の記者会見と時間が被りましたが、
そのECBは先月示唆していた通りの利上げでしたが、トリシェ総裁が会見で
「今はバイアスを持たない(no bias)」
と追加利下げには触れなかったので、ユーロドルは1.58後半→1.57台へ下落。

一方、アメリカの経済指標は・・・

雇用統計
非農業部門雇用者数変化-6月:-6.2万人(予想-6.0万人)
失業率-6月:5.5%(予想5.4%)
※非農業部門雇用者数変化の前回発表修正
5月:-4.9万人→-6.2万人
4月:-2.8万人→-6.7万人

ISM非製造業景況指数-6月:48.2(予想51.0)
※構成項目
支払価格:84.5(前回77.0)
新規受注:48.6(前回53.6)
雇用指数:43.8(前回48.7)

・・・これでどうしてNYダウが上がるのか・・・???
ユーロ安ドル高→原油安→株高?でも原油そんなに下がってないみたいだし。

ECBが約1年ぶり利上げ、総裁はバイアスなしと言明
【ロイター 2008年7月4日】
[フランクフルト 3日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)は3日の理事会で、主要政策金利である定例買いオペの最低応札金利を予想通り4.00%から4.25%に引き上げた。インフレ高進を受けた措置で、利上げは2007年6月以来1年強ぶり。政策金利は約7年ぶりの高水準となった。
 トリシェ総裁は理事会後の記者会見で、先行きの金融政策に関しバイアスはないと述べた。インフレが高まる一方、ユーロ圏の経済成長には陰りがみられる。
 同総裁は「今回の決定を踏まえ、金融政策は物価安定目標の達成に寄与するだろう」と述べた。前月の理事会では見解が3つに分かれたが、今回は全会一致だった。
 一方で同総裁は、早い時期に再び金利を変更することを望まないと意向を明確にし「ここからはバイアスは持っていない(starting from here, I have no bias)」と語った。そのうえで「もちろん、金融政策運営上の恒常的な姿勢として、われわれは中期的には事前コミットしない」と付け加えた。
 総裁発言を受け、年内の再利上げへの言及を予想していた反動でユーロは対ドルで下落した。ロイターのエコノミスト調査では、年内に政策金利が4.5%に上昇すると予想する向きはほとんどない。
 労働組合は今回の利上げに反発している。欧州労組連盟は「ECBの決定は危険かつ逆効果で不要だ。このつけを払うのは欧州経済と欧州の労働者だ」と批判した。
 経済協力開発機構(OECD)は利上げを評価する一方、インフレ圧力をから考えてほかに選択肢がなかったとの認識を示した。
 ドイツ政府の上級経済顧問Bert Ruerup氏は、独紙Tagesspiegelで、現在のインフレは景気過熱でなく食品・燃料価格の上昇によるものであり、利上げが正しい対応だったのかは疑問、との考えを示した。
 トリシェ総裁は、ユーロ圏経済の今後については、経済ファンダメンタルズは依然として強いもの、年末にかけて弱くなると警告。「第2・四半期は第1・四半期とかなり異なるだろう。第3・四半期も特によくなるとは思わない」と述べた。
 またインフレについては、当面は「2%を大幅に上回る」水準にとどまるとの見方を示した。6月は「3%を上回る」としていた。

<インフレ懸念>

 総裁は、労働者や企業が高インフレを将来の賃金と価格に織り込むことに警戒感を示し、ECBは食料・燃料価格の上昇の影響が一時的となるよう最善をつくす方針を強調。「中期的な物価安定について、われわれを信頼することは可能だ」とした上で、「今後のあらゆる動向を非常に注意深く監視する(monitor very closely all developments over the period ahead)」と述べた。
 総裁は今回、「高度の警戒(heightened alertness)」や「強い警戒(strong vigilance)」といった過去に利上げの先触れとなった文言を用いなかったが「高度の警戒とも強い警戒とも述べなかったことには何の意味もない」と説明した。
 市場はこれについて、前回理事会で総裁が7月の利上げは可能と述べて市場にショックを与えた後、市場が数回の利上げの可能性を見込みすぎたことを示すとみている。
 今回の理事会後に行ったロイターのエコノミスト調査では、政策金利が年内に4.5%あるいはそれ以上に上昇すると答えのは63人中11人にとどまった。6月25日調査では80人中16人だった。
 ECBが早期に追加利上げしないとの見方から、ユーロ圏短期債利回りは低下した。
 ウエストパックのエコノミスト、ジェームズ・シャグ氏は「再度引き締めを行う意図がないことを総裁は非常に明確に示している。『ここからはバイアスはない』という発言は、これ以上明確にはなりようがない」と指摘した。
 さらに「これまで利上げにつながってきた『高度の警戒』や『強い警戒』という文言が使われなかったことから、今後1カ月の見通しに限られるとしても再利上げはないだろう」との見方を示した。
 またトリシェ総裁は、銀行がECBから短期資金を借り入れる際に利用できる担保資産について、ECBは注意深く見直しており、規則を強化する可能性もあるとの認識を示した。
 ECBは、適切な担保と引き換えに、ユーロ圏の銀行に対して最大6カ月、ユーロまたはドルを貸し出している。ただ、信用収縮の影響で銀行は差し入れる担保資産に工夫を凝らすようになっており、ユーロ圏以外の銀行がECBの融資を受けようとする例も出てきている。
 豪マッコーリー・グループは先ごろ、オーストラリアの自動車ローンを裏づけとする4億5500万ユーロ(約7億2250万ドル)の証券をECBが担保として受け入れたことを確認している。
 担保資産の質については、ECBのゴンサレスパラモ専務理事や、メルシュ・ルクセンブルク中央銀行総裁らも、懸念を表明している。
 トリシェ総裁は「われわれは常に(受け入れ可能な担保資産についての)ルールを見直している。必要があれば対処する」と強調した。

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遺跡に対する「非常事態宣言」ということでビックリです。
急にということではなくて、今まで積もり積もったものが噴出したという事情の
ようですが、今まで何してたの?他にヴェネツィアとかも危機的状況なのに。
古くて貴重な遺跡の多いイタリアですから、それら文化財の維持にかかるお金も
ハンパじゃないのでしょうが、もうちょっとなんとかならなかったのでしょうか?
「非常事態宣言」を出すだけではなくて、ロナウジーニョに注ぎ込む移籍金を
少し回すくらいのことはしたらどうなんでしょう?>ベルルスコーニ

ポンペイ遺跡に「非常事態宣言」【Yahoo!:時事 2008年7月5日】
Yahoo!時事20080705
イタリア政府は4日、ベズビオ山の噴火で埋没した同国の古代都市ポンペイ遺跡(写真)について、管理が行き届かずに危機に直面しているとして「非常事態」を宣言、保全活動に乗り出すと発表した。立ち入り禁止となる。

ポンペイ遺跡「非常事態」 崩壊の恐れ、伊内閣が宣言
【MSN産経ニュース 2008年7月5日】
 イタリアのベルルスコーニ内閣は4日の閣議で、1900年以上前の火山噴火で埋没したことで有名な南部の古代都市遺跡ポンペイ(世界遺産)について、補修が不十分で今後急速に崩壊が進む恐れがあるとして、1年間の「非常事態」を宣言、政府の特別委員を任命して対策を検討させることを決めた。
 ポンペイでは毎年平均150平方メートルのフレスコ画や壁のしっくいなどが崩落しているほか、約3000個の建造物の石材が毎年崩れているとの専門家の試算もあり、対策の必要性が指摘されていた。現在は地元カンパニア州が担当している遺跡の管理を特別委員が引き継いだ後、具体的な補修案などを検討する。
 ポンペイは西暦79年、ベズビオ山の噴火で壊滅し、火山灰の下に埋没。18世紀に発掘が始まり、当時の神殿や劇場、住居、闘技場などが発見された。現在は年に200万人以上が訪れるイタリア有数の観光名所となっている。

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会社からメールを出して足が付かないとでも思っていたのなら相当なおバカさん
というか、きっと秘密の保持とかにも無頓着なんだろうなぁという気がします。
こんな軽率な行為をしてるようでは新聞記者の資質に欠けているとしか思えない。
もっとも、インサイダー取引の前歴がある新聞社だしねぇ・・・(苦笑)。

市民団体に「ばか者」とメール 日経新聞の編集局員
【MSN産経ニュース 2008年7月5日】
 「従軍慰安婦」問題を扱ったNHK番組の改編をめぐる訴訟の原告側市民団体「『戦争と女性への暴力』日本ネットワーク」(東京)に対し、日本経済新聞東京本社の編集局員が「常識を持て」「ばか者」「あほか」などと書いた電子メールを業務用のアドレスから送付していたことが5日、分かった。
 同ネットワークは日本経済新聞社に抗議。同社は「不適切なメールだった。社内規定に基づき、発信した局員を処分した」と説明している。
 同ネットワークによると、メールはNHK訴訟が最高裁で逆転敗訴した翌日の6月13日、事務局に着信。「ばか者」などのほか、「報道ってのは取材先の嫌なこともちゃんと中立的に伝えるのが役目なんだよ。なんであんたがたの偏向したイデオロギーを公共の電波が垂れ流さなきゃいけないんだよ」などと書かれていた。

日経新聞記者が不適切メール送信、民間団体に「ばか者」
【読売新聞 2008年7月5日】
 日本経済新聞編集局の記者が先月、戦争特集番組を巡ってNHKや下請け会社などに損害賠償を求めた民間団体・「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(バウネット)に対し、「ばか者」「あほか」などというメールを送りつけていたことがわかった。
 日経新聞は事実関係を認め、同社幹部が先月24日、バウネットに直接謝罪した。
 両者によると、バウネットの損害賠償請求が最高裁で棄却された翌日の先月13日、バウネット事務局に「取材先の『期待』に報道が従うわけないだろ。ばか者」「あほか。あんたがたの常識のなさにはあきれはてる」というメールが送りつけられた。メールアドレスの一部が「nikkei.co.jp」となっていたため、日経新聞に問い合わせたところ、編集局に所属する記者が送りつけていたことが判明したという。
 日経経営企画室の話「記者として不適切な行為。厳正に社内で処分をした」



もう1つ、呆れるニュース。
ダムとか干拓堤防とかハコモノとか要らない公共事業には金を注ぎ込むくせに、
世界規模で必要不可欠な気象衛星を打ち上げる予算の心配をしないといけない
なんて、いくらなんでも変でしょう?やっぱりヘンテコリンな日本政府。

気象衛星が消滅の危機、「ひまわり」後継機に予算集まらず
【読売新聞 2008年7月5日】
 気象庁が6~8年後に打ち上げを予定している気象衛星「ひまわり」後継機2基の調達の見通しが立たず、30年以上も日本の空を宇宙から見守ってきた気象衛星が消えてしまうかもしれない事態に直面している。
 現行2基の予算の7割を分担した国土交通省航空局が計画から外れることになったため、管理運用を含め1基400億円とされる予算の確保が気象庁だけでは難しいためだ。
 ひまわりを失えば、国内の天気予報の精度が落ちるだけでなく、観測網に空白が生じ、アジア・太平洋地域の台風や豪雨の監視に支障を来す恐れがある。
 ひまわりは故障に備えて2基体制で、現行の6号と7号はともに2015年に寿命を迎える。衛星の製造は5年かかるため、8、9号の関連費用を来年度予算に盛り込む必要がある。
 6、7号の時は、気象以外に航空管制機能を搭載することで旧運輸省航空局の予算を捻出(ねんしゅつ)した。だが、国交省は「次世代の管制通信方式が議論中」との理由で、後継機では航空管制機能の相乗りを見合わせた。同庁は民間との相乗りを模索したが、協力は得られなかった。
 99年に5号の後継機打ち上げが失敗した際、米国の衛星の軌道を変えて日本の観測を2年間代行させたが、米国からは「次に似た状況になっても1年限り」とくぎを刺されたという。
 ひまわりは海面水温などの地球温暖化にかかわる情報も集めている。同庁は「観測が滞れば国際社会に迷惑がかかる。打開策を見つけたい」としている。

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京都の話題を3つ。ちょっとした歴史のロマンを感じさせるものと祇園祭の話題。

信長の最期 飾った光沢? 旧本能寺跡 琥珀製の軸端出土
【京都新聞 2008年7月4日】
 京都市中京区の旧本能寺跡の発掘調査で、琥珀(こはく)製の掛け軸の軸端(じくはな)が出土していたことが4日までに分かった。織田信長が明智光秀に攻められ自害した本能寺の変(1582年)で被災した品の可能性があるという。
 軸端は、関西文化財調査会(上京区、吉川義彦代表)が昨年7-8月に行った調査で出土した焼け瓦の中から見つけ、調べていた。
 直径2・5センチ、長さ3・5センチ。澄んだ琥珀色で丁寧な加工が施され、当時をしのばす光沢を放っている。木部も残っていたが、焼けた痕跡はなかった。
 変の前夜、信長は主な公家を招いて茶会を催し、名物の茶器を披露したという。吉川代表は「信長が集め、茶室を飾った名品の一つかもしれない」と話している。
京都新聞080704
〔※写真:旧本能寺跡の発掘で見つかった琥珀製軸端〕


源氏物語五十四帖、押し絵で精巧に 上京・廬山寺で展覧会
【京都新聞 2008年7月5日】
 源氏物語全五十四帖の世界をさまざまな色の布を張り重ねて表現した押し絵が完成し、物語千年紀にあわせて紫式部ゆかりの京都市上京区寺町広小路上ルの廬山寺で5日から展示されている。東京の押し絵作家たちが材料探しから始め、15年がかりで仕上げた力作で、物語の各場面が立体的、精巧に描かれている。

■東京のグループ、15年かけ制作

 東京都福生市の押し絵作家中村洋子さん(67)と、中村さんが主宰する押し絵教室の生徒12人が、華やかな王朝物語の世界を押し絵で表現してみたいと1992年、源氏物語を題材に選び、制作にとりかかった。
 作品ごとに異なる柄の布を使おうと、京都市を訪れるたびに反物店で買い求め、10年をかけて材料を集めた。小さな型紙を布でくるんで張り合わせていく作業は5年を要した。
 会場には縦37センチ、横44センチの押し絵が54点並ぶ。「第六帖末摘花」では末摘花が着る十二単をあでやかに、「第三十六帖柏木」では赤子を抱く光源氏の礼服を白地に金襴(きんらん)紋様で精巧に表現した。
 押し絵展は中村さんを指導していた押し絵師と、廬山寺の壇信徒が知り合いだった縁で実現した。同寺の町田泰宣管長が作品の出来栄えに驚き、「千年紀の節目に紫式部が源氏物語を執筆したこの寺で展示したい」と開催を快諾した。
 中村さんは「廬山寺で開けて感無量。多くの人に王朝絵巻の美しさを感じてほしい」と話している。31日まで。有料。
京都新聞080705
〔※写真:源氏物語の世界を描いた立体感のある押し絵と作者の中村さん(午前9時45分、京都市上京区・廬山寺)〕


稚児「太平の舞」ちょっぴり緊張 祇園祭 長刀鉾・吉符入り
【京都新聞 2008年7月5日】
 祇園祭の山鉾巡行で先頭を進む長刀鉾(京都市下京区四条通烏丸東入ル)は5日、神事始めにあたる「吉符入りの儀」を行った。稚児の岡澤一規君(9)が巡行の際に鉾の上で舞う「太平の舞」を市民に披露した。
 町会所には保存会の役員、囃子(はやし)方のメンバーらが集まり、神前で祭りの無事を祈願した。役員の前で岡澤君と禿(かむろ)の乾満希君(10)、植村龍登君(8)が「太平の舞」を舞ってみせ、OKをもらった後、四条通側の窓から市民の前へ姿を見せた。
 岡澤君は鶴のクジャクの羽がついた「チョウトンボ」の冠を頂き、青海波に鶴模様のふじ紫色の振り袖に、若草色の紗(しゃ)のかみしも姿。時折、前に身を大きく乗り出しながらゆったりと舞い、天下太平と五穀豊じょうを願った。岡澤君は「緊張した。練習よりもうまくいかず60点。巡行は頑張ります」と話していた。
京都新聞080705長刀鉾稚児
〔※写真:「太平の舞」を披露する稚児の岡澤一規君(中央)と禿の乾満希君(左)、植村龍登君(5日午後3時40分、京都市下京区四条通烏丸東入ル、長刀鉾町会所)〕
[日経ネット関西版より↓]
日経ネット関西版080706


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ECB全会一致の利上げ決定、市場の不安払しょくする狙いも
【ロイター 2008年7月4日】
[フランクフルト 3日 ロイター] 前回6月の理事会で意見が3つに分かれ、市場を動揺させた欧州中央銀行(ECB)だが、7月は25ベーシスポイント(bp)の利上げを全会一致で決め、結束を示した。
 6月と異なる点は、全会一致の決定のほかに、トリシェ総裁の会見での発言にもみられた。総裁は、先行きの金融政策に関し「バイアスはない(no bias)」と述べたものの、インフレへの取り組みで必要な対応をする姿勢も示し、追加利上げ観測が後退しないよう配慮した。
 全会一致の決定について、アナリストは、インフレ警戒派と成長懸念派の妥協の産物だろうが、投資家の不安を和らげる狙いもあったとみている。
バンク・オブ・アメリカのエコノミスト、ホルガー・シュミーディング氏は「4週間前に債券市場を急落させたが、きょう、そのダメージが一部癒された」と述べている。
 ECBウォッチャーにとって6月の総裁会見は、7月に利上げする可能性が強く示唆したこととともに、理事会の意見が分かれたことを認めたことも衝撃的だった。
 総裁は、6月の会見で、ECBスタッフの最新の経済予想について討議した後、即利上げ、いずれ利上げ、据え置き、の3派に分かれたことを明らかにした。これは、多数決に頼らずコンセンサス作りを標榜(ひょうぼう)するECBとしては異例な事態だ。
 その後のECB理事会メンバーの発言も、タカ派から比較的ハト派までトーンがまちまちで、理事会不協和音説が強まった。そんな状況で開かれた7月理事会。トリシェ総裁は会見で「われわれは全会一致だった。政策決定においては入手したあらゆる情報を考慮した」と述べた。

<選択肢をオープンに>

 折にふれて理事会のスポークスマンは自分だけと強調するトリシェ総裁は会見で、理事会で50bp利上げや据え置きの意見が出たかという質問への直接的な回答を避けた。
 市場は「バイアスなし(no bias)」に反応、早期25bp追加利上げ観測が後退した。
 ウニクレディトのエコノミスト、アウレリオ・マッカリオ氏は、利上げ決定は「明らかに理事会内の妥協」だと指摘。「前回理事会以降の状況からトリシェ総裁は全会一致の決定が必要だった。理事会のハト派はそれに同意したものの、しばらくは据え置く、という約束を取り付けた」とみている。
 一方、利上げ派は、6月のインフレ率がユーロ導入以来の最高を更新したこと、第1・四半期の賃金上昇率の高さ、インフレ期待の高まりという材料を得て、利上げの必要性をあらためて認識したとみられる。
 トリシェ総裁は会見で、インフレ期待の安定維持、賃金・物価スパイラルを阻止する姿勢はあらためて示したものの、6月に市場を動揺させた強硬な表現は使わなかった。
 会見で読み上げられた声明も「確固とした時宜を得た行動(firm and timely action)」や「高度の警戒(heightened alertness)」といった、「警戒(vigilance)」に代わる利上げを予告する表現はなかった。
 トリシェ総裁は、金融政策に関する市場との対話については、引き続き透明性に心がけると約束したが、コードワードは示していない。
 総裁は「高度の警戒とも強い警戒とも述べなかったことには何の意味もない」と説明。で「あらたに市場にわれわれの方針を示せるものがあれば、そのときはこれまでと同様、明確な形で伝える方針だ」と述べた。


ECB理事会後のトリシェ総裁の発言要旨【ロイター 2008年7月4日】
ロイター080704
[フランクフルト 3日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)は3日の理事会で、主要政策金利である定例買いオペの最低応札金利を0.25%ポイント引き上げ、4.25%とした。理事会後の記者会見でのトリシェ総裁発言要旨は以下のとおり。

質疑──市場が誤って追加利上げを織り込んだ場合、どう対応するか。二次的影響がすでに現れている場合は?

 最初の質問については、理事会を代表する私の発言は、現況を基に、また、きょうの決定を受けた金融政策が物価安定目標の達成に貢献するとのわれわれの評価を基に行ったものだ。先行きについてはバイアスを持っていない。
 二番目の質問については、われわれのメッセージは商品や原油、新しくは食料の価格が上昇し始めたときから一貫している。
 われわれが各方面に対して厳粛に発言しているのは、この長期にわたるインフレが持続可能でないと信じることほど悪い判断はないということだ。中期的に2%未満、あるいは2%前後のインフレ率を達成することがわれわれの目的だ。

質疑──より大幅な利上げを求めたメンバーはいたのか。将来のバイアスがないと発言する場合、インフレ見通しが悪化した際には追加利上げも排除しないという意味か。

 「われわれは全会一致だった。政策決定においては入手したあらゆる情報を考慮した。きょうの決定は、物価安定の目的達成に貢献するだろう。私に将来へのバイアスはないし、先を見越した政策決定を行うことも決してない。これがわれわれの金融政策の不変特徴だ。われわれは中期的な物価安定を実現するために必要なことを行うだけだ」

<インフレリスク>

 ユーロ圏消費者物価指数は引き続き、顕著な伸びを示している。物価の安定性に一致する水準を依然として大きく上回るとみられている。

<成長のリスク>

 われわれが従来、強調しているように、今年上期の四半期成長率は一時要因、とりわけ建設活動など気候に関連する要因の影響を受けやすかった。このため、変動率の非常に大きい四半期経済成長に惑わされずにユーロ圏経済活動の基調的モメンタムを評価するには、2008年第1・四半期と第2・四半期を一つにまとめて評価することが必要だ。

<金利の決定>

 われわれの定例の経済、金融分析に基づき、きょうの会合で主要政策金利を25ベーシス・ポイント(bp)引き上げる決定を下した。この決定は、中期的な二次的影響の回避と、価格安定に対する上方リスクの増大を抑制することを目的としている。

6月の米非農業部門雇用者数は‐6.2万人、6カ月連続で減少
【ロイター 2008年7月4日】
[ワシントン 3日 ロイター] 米労働省が3日発表した6月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が6万2000人減少した。減少は6カ月連続で、2002年以降で最長となった。
 6月の失業率は5.5%だった。ロイター調査によるアナリスト予想では失業率が5.4%、雇用者数が6万人減となっていた。非農業部門雇用者数は年初からの累計で43万8000人減少した。
 ワコビア証券のシニアエコノミスト、ゲーリー・セイヤー氏は「(雇用統計は)労働市場が依然として非常に軟調なことを示している。大規模な人員削減はないが、企業がコスト面で現状維持に努めていることは明らかだ」と話した。
 4月と5月の雇用者数は、合計で7万7000人減から12万9000人減に修正された。
 6月の時間当たり賃金は前月比0.3%(0.06ドル)増加し18.01ドルとなった。前年比では3.4%増で、06年1月以来の低水準となった。
前出のセイヤー氏は「(雇用統計は)連邦準備理事会(FRB)が当面、政策を維持する必要があることを示している。この一年間、雇用減少が続いており、利上げは恐らく経済に対する大きな打撃になる」との見方を示した。
 非農業部門雇用者数の6カ月連続の減少は、ハイテクバブルの崩壊を受けて緩やかな景気後退期にあった2001年3月から2002年5月以来の長さとなる。
 6月の雇用者数は建設部門で4万3000人、製造部門で3万3000人減少した。いずれも過去一年間減少が続いている。
 専門サービスは5万1000人の減少。金融サービス、不動産部門は引き続き住宅市場低迷の影響を受けていることがうかがえる。
 労働省によると、中西部で発生した洪水の影響は6月の雇用統計には表れていない。ただ、今後数カ月間、労働市場を圧迫する新たな要因になる可能性がある。


米雇用情勢の悪化受け、利下げを予想する声も【ロイター 2008年7月4日】
[シカゴ 3日 ロイター] 米労働省が発表した6月雇用統計で雇用情勢の悪化が続いていることが示されたことから、市場関係者の間では、米連邦準備理事会(FRB)が年内は利上げを控える可能性が高まったとみられている。一段の利下げを予想する声も出ている。
 雇用統計では非農業部門雇用者数が6カ月連続で減少。ほかにも、雇用情勢の先行きがさらに悪化することを示唆する統計が出ている。
 リベラル・エコノミック・ポリシー・インスティチュートのエコノミスト、ジャレド・バーンスタイン氏は「大半の産業が雇用を削減しており、賃金の伸びも大幅に鈍化している」との見方を示している。
 米供給管理協会(ISM)が3日発表した6月の非製造業総合指数(NMI)は3カ月ぶりに判断の分かれ目となる50を割り込んだ。
 ISMの雇用指数は11年前に統計をとり始めて以来の最低水準に落ち込んだ。また米労働省が発表した新規失業保険週間申請件数は、リセッション(景気後退)入りを示すとされる40万件を上回った。
 BNPパリバのシニアエコノミスト、リチャード・アイリー氏は、これらの統計について「不快なカクテルだ」とし「原材料価格の高騰が利益率を圧迫している。目先の対応策は、人員削減を通じて生産性を上げることだが、これは最終的に需要減退につながる」と述べた。
 FRBは、6月に開催した前回の米連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を2%に据え置き、2007年9月中旬に開始した7回の利下げに終止符を打った。
 雇用統計とISM非製造業統計の発表後、金利先物は8月の利上げ確率を14%織り込む水準となった。前日は26%織り込んでいた。
 10月までの2.25%への利上げは完全に織り込んだ。ただ年末のFF金利は2.35%を示唆し、6月中旬の約3%から低下した。
 RBSグリニッジ・キャピタルの首席国際ストラテジスト、アラン・ラスキン氏は「市場が織り込む引き締めの幅は依然として大きすぎると思う。FRBは引き締めを望んでいない」との認識を示した。

<景気悪化の第2波か>

 一部のFEDウォッチャーの間では、今年末に景気悪化の第2波に見舞われ、マイナス成長に陥る可能性がある、との指摘が出ている。
 リスシオ・リポートのアナリスト、フィリッパ・ダン氏とダグ・ヘンウッド氏は、リサーチノートで「非農業部門雇用者数は6カ月連続で減少している。リセッション以外で起きたことはない」と述べた。
 また米雇用統計によると、6月の時間当たり賃金は前年同月比で3.4%増となり、伸び率は06年1月以来の低水準に落ち込んだ。
 賃金と物価の上昇スパイラルが懸念されていたが、賃金の伸び鈍化が示されたことで、FRBのインフレ懸念が後退する可能性がある。
 マッコーリー銀行の金利ストラテジスト、ロリー・ロバートソン氏は「労組の勢力が後退し、労働者の交渉力も落ちている」と指摘。FRBの次の政策変更は「おそらく利下げ方向だ」との見方を示した。
 リーマン・ブラザーズのエコノミストは、現在5.5%の失業率が2009年には6.3%とピークに達するとみている。ザック・パンドル氏は「FRBは年内は利上げしないと、依然予想している。われわれは引き続き、次の政策変更は利下げだと考えている」と述べた。

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